高配当株を新NISAの成長投資枠で買うと、通常は約20%差し引かれる配当の税金がかかりません。ただし、配当の受取方法を「株式数比例配分方式」にしておかないと、NISA口座で買った株でも課税されます。
公開:2026年6月24日
新NISA成長投資枠とは|まず基本を押さえる
新NISAは「つみたて投資枠(年120万円)」と「成長投資枠(年240万円)」の2つで構成され、両方あわせて生涯で1,800万円まで非課税で投資できます。このうち成長投資枠は最大1,200万円までで、個別株やETF、上場している高配当株を買えるのが特徴です。
通常、株式の配当金には20.315%(所得税・住民税・復興特別所得税の合計)の税金がかかります。これがNISA口座では非課税になるため、配当を目的とした高配当株投資との相性が良い組み合わせです。
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資上限 | 120万円 | 240万円 |
| 非課税保有限度額 | 合計1,800万円(うち成長投資枠は最大1,200万円) | |
| 主な対象 | 長期・積立向けの投資信託 | 個別株・ETF・投資信託 |
| 高配当の個別株 | 対象外 | 購入可能 |
なぜ高配当株と成長投資枠は相性が良いのか
最大の理由は、配当金がまるごと非課税で受け取れる点にあります。たとえば成長投資枠の上限1,200万円を、配当利回り4%の高配当株で埋めたと仮定します(あくまで試算です)。

この場合、年間の配当は額面で約48万円です。課税口座であれば20.315%が差し引かれて手取りは約38.3万円となり、税金として約9.8万円が引かれます。NISA成長投資枠ならこの税金がかからず、48万円をそのまま受け取れる計算になります。
配当は受け取るたびに課税される性質があるため、配当を継続して受け取る高配当株ほど、非課税のメリットが効きやすくなります。
成長投資枠で高配当株を買う手順【5ステップ】
実際の買い方を順番に見ていきます。
- 証券会社でNISA口座を開く。NISA口座は1人1口座なので、ほかの金融機関ですでに開いている場合は、金融機関の変更手続きが必要です。
- 入金する。
- 銘柄を選ぶ。利回りだけでなく、配当性向や業績の推移、セクターの偏りも確認します。
- 注文画面で預り区分を「NISA(成長投資枠)」にする。「特定口座」のままだと課税口座での購入になります。つみたて投資枠とも別枠なので、取り違えないようにします。
- 配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」にする。これを設定していないと、NISAで買った株でも配当に税金がかかります。証券口座で一度設定すれば全銘柄に適用されます。
特に5番目の「株式数比例配分方式」は見落とされやすく、設定し忘れると配当に課税されてしまう可能性があります。NISAで高配当株を買う前に必ず確認しておきたい項目だと考えられます。
長期で見た非課税メリット
配当の非課税効果は、保有期間が長くなるほど積み上がっていきます。先ほどと同じ条件(満額1,200万円・利回り4%・配当は再投資しない)で、10年間の累計手取り配当を比較したのが次の図です。

10年間では、課税口座の累計が約382万円なのに対し、NISA成長投資枠では約480万円となり、その差は約97万円に広がる試算です。実際には株価変動や減配・増配があるため、この通りになるとは限りません。ただ、配当にかかる税金を非課税にできる効果は、長期保有でより大きくなる傾向があると考えられます。
知っておきたい注意点
注意点は3つあります。いちばん大きいのは、NISA口座内の損失を課税口座の利益と相殺できないことです。損益通算も繰越控除もできないので、値下がりする可能性のある個別株では、損失がそのまま残ります。次に、利回りが突出して高い銘柄は、株価の下落や業績悪化の結果として利回りが上がっていることがあります。非課税の恩恵を狙って、減配リスクの高い銘柄に偏るのは避けたいところです。なお、売却した場合は、その簿価分の枠が翌年に復活します。戻る額が時価ではなく簿価である点は、NISA売却枠の復活|戻るのは簿価、年360万円は増えないで実際の口座の数字を使って計算しました。
私の成長投資枠の使い道
投資歴20年・運用資産6,277万円規模で運用してきた経験から言うと、成長投資枠は「配当を非課税で受け取り続ける器」として使うのが、自分には合っていました。値上がり益を狙う器としてではなく、長く持てる高配当株を入れておく場所、という位置づけです。
特に「株式数比例配分方式」の設定は、私自身も投資を始めた当初は知らず、危うく課税されるところでした。制度のメリットは、こうした細かい設定を正しく済ませて初めて活きてくると感じています。買い方の手順を一つずつ確認することが、非課税の恩恵を取りこぼさない近道だと考えています。
いちばん忘れやすいのは配当の受取方式
新NISA成長投資枠で高配当株を買う手順は、(1)NISA口座開設、(2)成長投資枠の指定、(3)銘柄選び、(4)NISA預りでの注文、(5)株式数比例配分方式の設定、という流れです。配当が非課税になるメリットは長期保有で積み上がる一方、損益通算ができないなどの注意点もあります。
出典・参考情報
こちらの記事もおすすめです
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄や投資手法を推奨するものではありません。税制は今後変更される可能性があります。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは免責事項をご覧ください。
なお、2027年開始予定の子ども向け制度については、こどもNISAとは?制度の全体像で整理しています。


コメント