2026年4月の日経平均は53,414円から59,285円へ+10.99%の大幅高、米国S&P500も+8.13%、NASDAQは+12.21%と上昇しました。ドル円は159円台で膠着、VIXは25→18へ低下しリスクオン回帰の1か月となりました。本記事は4月相場の総括と5月への示唆をまとめます。
公開日:2026年5月3日(月次総括)
2026年4月 主要指標サマリー

まず、4月の主要指標を一覧で確認します。月初から月末への変化率と、月間の高値・安値を併記しました。
| 指標 | 月初終値 | 月末終値 | 月間騰落率 | 月間高値 | 月間安値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日経平均 | 53,414円 | 59,285円 | +10.99% | 60,904円(4/27) | 53,206円(4/6) |
| S&P500 | 6,599 | 7,136 | +8.13% | 7,179(4/28) | 6,584(4/6) |
| NASDAQ | 21,989 | 24,673 | +12.21% | 24,899(4/28) | 21,931(4/6) |
| ダウ平均 | 46,551 | 48,862 | +4.96% | 49,624(4/23) | 46,355(4/6) |
| ドル円 | 159.43円 | 159.34円 | -0.06% | 160.72円(4/30) | 157.88円(4/8) |
| WTI原油 | $112.23 | $106.86 | -4.78% | $115.48(4/6) | $85.45(4/20) |
| 金 | $4,696 | $4,635 | -1.30% | $4,895(4/15) | $4,551(4/30) |
| VIX恐怖指数 | 25.11 | 18.36 | -26.88% | 25.20(4/6) | 17.81(4/29) |
注目すべきは VIXの-26.88%という大幅低下 です。月初の25台から月末18台へ低下し、市場心理が「警戒」から「楽観」へ大きく転換したことを示しています。VIXの基礎については関連記事もご覧ください。
4月相場を3局面で振り返る

4月の値動きは「急落 → 警戒 → 急騰」の3局面に整理できます。
① 4月上旬:プライベートクレジット危機懸念で急落
4月上旬は、米国でのプライベートクレジット(PC)市場の不良債権増加懸念が日米株式の重しとなりました。日経平均は4/6に53,206円の月間安値を記録、VIXも25台まで上昇し市場の警戒感が高まりました。原油も$115台と高値圏で推移し、インフレ再燃懸念も同時に強まっていました。
② 4月中旬:ホルムズ封鎖リスクと不安定な戻り
4月中旬はイラン・米国間の緊張が高まり、ホルムズ海峡封鎖リスクが市場テーマとなりました。原油価格は荒い値動きを見せ、4/15には金が$4,895の月間高値をつけリスク回避資金の流入が観測されました。日経平均は53,000円台から55,000円台のレンジで方向感を欠く展開でした。
③ 4月下旬:リスクオン回帰・米テック株主導の急騰
4月下旬になるとイラン情勢の沈静化、米テック大手の好決算、トランプ政権による関税還付観測などが重なり、相場は一気にリスクオンへ転換しました。NASDAQは4/28に24,899の月間高値、日経平均も4/27に60,904円の月間高値を更新。VIXは18台まで低下し、市場心理は完全に楽観へ振れました。
4月のテーマ①:ホルムズ封鎖リスクの沈静化
4月最大のリスクシナリオだったホルムズ海峡封鎖懸念は、月後半にかけて急速に沈静化しました。原油価格は月初$115から月末$107へ下落、月内安値は4/20の$85まで一時下押しする荒い値動きでした。
シナリオ確率の見立てとしては、月初時点で「全面封鎖:30%/部分緊張継続:50%/沈静化:20%」程度の市場織り込みだったものが、月末には「沈静化:60%/部分緊張:30%/封鎖:10%」程度に大きくシフトしました。この織り込み変化が、原油下落・株価上昇・VIX低下という三重のリスクオンを生んだ要因の一つと推測されます。
イラン情勢がセクター別にどう効いたか:イラン情勢沈静化と恩恵を受ける日本株セクター分析
4月のテーマ②:ソフトバンクグループ +43%急騰の背景
個別銘柄で4月最大の話題は ソフトバンクグループ(9984)の+43.06%急騰 でした。月初3,648円から月末5,219円へ駆け上がり、当監視銘柄のなかで突出した上昇率となりました。
| 銘柄 | コード | 月初終値 | 月末終値 | 月間騰落率 |
|---|---|---|---|---|
| ソフトバンクグループ | 9984 | 3,648円 | 5,219円 | +43.06% |
| トヨタ自動車 | 7203 | 3,247円 | 3,023円 | -6.90% |
| ソニーグループ | 6758 | 3,292円 | 3,113円 | -5.44% |
急騰要因として、米Arm Holdingsの好決算、AI半導体投資テーマの再評価、円安によるドル建て資産価値の上振れなどが複合的に作用しました。一方で4/28には日中-9.86%の急落も記録しており、ボラティリティの高い相場展開だったことも記録に残しておく必要があります。
輸出関連株(トヨタ・ソニー)が下落する一方でハイテク株が急騰した点は、4月相場の「セクターローテーション」を象徴する動きと推測されます。
4月のテーマ③:米テック株主導のリスクオン
4月の米国株はテック株主導の上昇でした。NASDAQ +12.21%は3指数で最大の上昇率、ダウ平均 +4.96%との格差は約7%ポイントに達しています。
背景には、①AI関連設備投資の継続観測、②FRBの利下げ織り込み修正(年内2回想定)、③米企業1Q決算が事前予想を上回る進捗、などが指摘されています。日経平均が+11%と米国株並みに上昇した点は、円安持続(ドル円159円台)による輸出株下支えとハイテクセクターへの資金流入が同時に起きたためです。
この月、私の高配当ポートフォリオは日経に11.3pt負けた
指数の話だけだと実感が湧かないので、自分の口座の数字を出します。私は日本の高配当株17銘柄を保有していますが、日経平均が+10.3%上げた4月、この17銘柄の評価額は-0.9%でした。差は11.3ポイントです。
| 項目 | 4月1日 | 4月30日 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 保有17銘柄の評価額 | 6,544,469円 | 6,483,306円 | -0.9% |
| 日経平均 | — | — | +10.3% |
| 最も上げた銘柄 | アマダ | +15.7% | |
| 最も下げた銘柄 | INPEX | -11.7% | |
理由ははっきりしています。4月に日経平均を押し上げたのはソフトバンクグループなどの値嵩株とハイテク株で、私はそのどちらも持っていません。持っているのは銀行・商社・鉄鋼・たばこといった、この局面では買われにくい銘柄ばかりです。
INPEXの-11.7%は原油下落を直接受けたものです。取得単価1,462円に対して当時も含み益は十分にありましたが、月次で見れば二桁下げています。
それでも売買はしませんでした。指数に負けた月に慌てて銘柄を入れ替えると、次に相場の主役が変わったときに何も残りません。私が持っている17銘柄は値上がりを取りにいくためではなく、配当を受け取り続けるために買ったものです。
運営者YKの4月相場分析
4月相場を振り返って一番反省しているのは、月初のリバウンドに乗り遅れた焦りから、普段しない判断をしそうになったことです。実際にどう対応したかを書き残します。
分析①:「リスクオン転換」のスピードが速すぎた 月初に+10%超のリバウンドを取りに行くのは、後から見れば正解でも実行は難しい局面です。プライベートクレジット危機懸念とホルムズ封鎖リスクが同時に存在した4月上中旬、私自身は積立投資(オルカン・S&P500)以外の追加買付は控え、現金比率を15%維持していました。結果論としてはフルインベストメント勢が勝ちでしたが、再現性のあるリスク管理を優先すべきと考えます。
分析②:個別株のボラティリティに振り回されない ソフトバンクGの+43%は華々しい数字ですが、4/28の日中-9.86%急落も同じ銘柄で起きています。個別株での+40%リターンを取るには、同程度の下落リスクを許容できるポジションサイズに抑える必要があります。インデックス投資中心の方針を変えるべきではないと改めて感じた1か月でした。
分析③:VIXの-27%は次の調整シグナルかもしれない VIX18台は過熱の入り口です。過去の経験則では、VIXが20→15以下まで急低下した後の数か月で調整局面が訪れるパターンが多く観測されます。5月以降、ポジション増加には慎重に臨みたいと考えています。
急騰の反動に備えるための過去データ:暴落時の心構えと行動パターン|投資歴20年の実体験
5月相場の注目ポイント
4月の急騰を受けた5月相場の注目イベントを整理します。
- 5/11:トランプ関税26兆円還付の開始 — 米国内消費刺激効果と円安継続要因として注目される可能性があります。
- 5月中旬:FOMC議事要旨 — 利下げ時期織り込みの再調整トリガーとなる可能性があります。
- 5月下旬:日米企業の通期決算ピーク — ガイダンスの上方修正・下方修正がセクター物色を左右するでしょう。
- VIX水準 — 18台から更に低下するか、20台へ戻すかで5月の方向感が決まる可能性があります。
- ドル円160円のチャート上の壁 — 4/30に160.72円まで上昇後反落しており、為替介入観測との攻防が続きそうです。
投資戦略へのまとめ
4月相場から得られる示唆を、長期投資家の視点で整理します。
- 積立投資の継続性が再確認された:4月上旬の安値で積立を止めなかった投資家は、月末までに+11%のリターンを得ています。淡々と積み立てる戦略の有効性が示された1か月でした。
- 地政学リスクは「織り込み変化」で取引される:ホルムズ封鎖が起こったわけではないのに、原油は$115→$107、株価は+11%上昇しました。実害ではなく確率の織り込みが価格を動かす点は、長期投資家にとっても理解しておくべき構造です。
- 個別株の急騰は持続性を慎重に評価:SBG +43%のような銘柄は、その後のボラティリティも極端に大きい傾向があります。インデックス投資をコアに据える戦略は、4月相場でも有効に働きました。
※ 本記事の情報は投資判断の参考情報であり、特定の投資を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。詳細は免責事項をご覧ください。


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