オルカンとS&P500の併用は重複か

オルカンとS&P500の併用は重複か 実効米国比率87% 投資テーマ解説

「オルカンとS&P500を両方買うのは、中身が重複していて無駄では?」——投資信託の積立でよく出る疑問です。私(YK)は実際にこの両方を保有しているので、自分の保有データを使って「重複」の正体を数字で検証します。結論から言えば、重複は必ずしも悪ではなく、問題は合成後に米国株比率が何%になるかです。

先に要点をまとめます。オルカン(全世界株式)は中身の約6割が米国株なので、S&P500と重なる部分は確かに大きい。ただし2本を持つこと自体より、金額の配分しだいで実質的な資産配分が決まる点が本質です。私の場合、両方を持っていても投信部分の実効的な米国株比率は約87%まで上がっていました。

「重複」と言われる理由|オルカンの中身の6割は米国株

オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式・オール・カントリー)はMSCI ACWIという指数に連動し、世界47カ国の株式に時価総額比で分散投資します。ところが「全世界」といっても、時価総額が大きい米国企業の比率が突出しているため、中身の約6割が米国株です。

オルカン(オール・カントリー)の地域別構成。約6割が米国株で、S&P500と大きく重なる(2026年概算)
図:オルカン(オール・カントリー)の地域別構成。約6割が米国株で、S&P500と大きく重なる(2026年概算)(出典:MSCI ACWIおよびeMAXIS Slim月次レポートを基に運営者が概算)

一方のS&P500(連動指数:S&P500)は米国の大型株500銘柄そのものです。つまりオルカンの米国部分と、S&P500はほぼ同じ銘柄群を指しています。AppleやNVIDIA、Microsoftといった主力銘柄は両方に含まれ、この重なりが「重複では?」と言われる理由です。日経平均やTOPIXに連動する日本株は、オルカンの中では6%前後にすぎません。

私の実際の保有で「重複」を検証する

抽象論では判断しづらいので、私自身の保有データで具体的に計算します。2026年6月時点の基準価額ベースで、私はS&P500連動ファンドを約2,360万円、オルカンを約1,252万円(特定口座+NISA成長・つみたての合計)保有しています。投信部分の合計は約3,612万円です。

表:運営者YKの投信保有と実効的な米国株換算(2026年6月時点の基準価額ベース。オルカンの米国比率はMSCI ACWIの概算値)
ファンド 私の保有評価額 中の米国株比率 米国株の換算額
S&P500連動 約2,360万円 100% 約2,360万円
オルカン(全世界) 約1,252万円 約62% 約776万円
投信合計 約3,612万円 約87% 約3,136万円

オルカンを持っているので「全世界に分散できている」つもりでも、S&P500を厚めに積み上げた結果、私の投信部分は約87%が米国株という計算になりました。全世界株を組み入れていても、金額比が偏れば実態はほぼ米国集中に近づく——これが自分の口座で起きていた「重複」の正体です。

運営者YKの実保有(S&P500 2,360万円・オルカン 1,252万円)を合成した実効的な米国株比率。両方を持っても金額比しだいで約87%が米国株になる
図:運営者YKの実保有(S&P500 2,360万円・オルカン 1,252万円)を合成した実効的な米国株比率。両方を持っても金額比しだいで約87%が米国株になる(運営者試算(2026年6月時点の保有評価額ベース。将来の成果を保証するものではありません))

ここで大事なのは、重複そのものが損失を生むわけではない点です。同じ銘柄を二重に持っても、値上がり益や配当が目減りするわけではありません。問題になるのは、意図せず米国比率が想定より高くなり、リスクの分散度合いが自分の狙いとズレることです。円安・円高といった為替の影響も、米国比率が高いほど大きく受けます。

「重複」はデメリットなのか|両論を対称に整理する

重複を一方的に悪と決めつけないよう、両方の側面を並べて整理します。

重複を気にしなくてよい立場:「米国が世界経済を牽引する構図は当面続く」と考えるなら、S&P500を厚くし、オルカンで米国以外も薄く拾う形は理にかなっています。信託報酬もオルカン・S&P500系はいずれも年0.1%前後と低く、2本持つことで余計なコストが積み上がるわけではありません。

重複を見直したほうがよい立場:「全世界に分散したい」という当初の目的があるなら、実効米国比率が87%では意図と乖離しています。この場合はオルカン1本に寄せるか、S&P500の追加購入を止めてオルカンの比率を上げるほうが、目的に対して素直です。どちらが正解かは、期待リターン(米国集中の上振れ)とリスク(米国依存の下振れ)のどちらを重く見るかという、投資家自身の判断で決まります。

運営者YK視点|なぜ私は両方を持ち続けているのか

投資歴20年・運用資産6,000万円規模の私自身の整理を書きます。私がS&P500とオルカンの両方を持っているのは、当初からの設計ではなく時期をずらして買い増した結果です。先にS&P500を大きく積み立て(取得時からの評価は約2.5倍になりました)、その後「さすがに米国一辺倒はリスクが高い」と考えてオルカンを買い足しました。

ただ今回あらためて自分の数字を集計して、オルカンを足したつもりでも実効米国比率は87%と、期待したほど分散できていないことを再確認しました。それでも私は当面この配分を維持します。理由は、(1)S&P500部分に約1,400万円の含み益があり、特定口座で売却すると約2割の税金が発生して複利の土台が削れること、(2)新規の積立はオルカン側に寄せることで、時間をかけて米国比率を緩やかに下げられること、の2点です。「重複しているから今すぐ片方を売る」という判断は、含み益への課税を考えるとむしろ不利になり得る——これが実際に両方を保有している私の結論です。

なお、これは私個人の保有状況に基づく整理であり、特定商品の売買を勧めるものではありません。より基礎から確認したい場合は、下記のインデックス投資と資産配分の記事もあわせてご覧ください。

まとめ

オルカンとS&P500の併用は「中身が約6割重なる」という意味では確かに重複します。しかし重複それ自体が損なのではなく、合成後の米国株比率が自分の狙いと合っているかが判断軸です。私のように両方を持つと実効米国比率が87%まで上がることもあり、まずは金額比から自分の実質的な資産配分を一度計算してみることをおすすめします。

関連して読むなら、指数連動の基本を押さえたインデックス投資の基礎ガイド、配分そのものの考え方をまとめたアセットアロケーション入門、オルカンの中身を詳しく解説したオルカン(オール・カントリー)の特徴解説が参考になります。

本記事は2026年7月時点の情報・運営者の保有状況に基づく個人的な整理であり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。詳細は免責事項をご確認ください。(将来の運用成果を保証するものではありません)

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