TOPIX連動ETFの信託報酬は、最安の1475(iシェアーズ・コア TOPIX)で年0.0495%です。ところが主要5本の直近1年のリターンは最大0.60ポイント離れていて、信託報酬の差(1475と1308で年0.036ポイント)の約16倍ありました。
差を生んでいたのは出来高です。最大の1306と最小の2557では出来高に2,196倍の開きがあり、出来高の薄いETFほど指数から離れた値動きをしていました。
公開日:2026年5月9日(個人投資家ガイド)
より基礎から押さえたい方は、TOPIXと日経平均の違い|どちらを見るべきか解説もあわせてご覧ください。
TOPIX連動ETFと投資信託の違い

TOPIXに連動する商品には大きく分けて 「ETF(上場投資信託)」 と 「インデックス投資信託」 の2種類があります。両者の違いを整理します。
| 項目 | ETF(上場投信) | インデックス投信 |
|---|---|---|
| 売買場所 | 証券取引所(株と同じ) | 証券会社・銀行の窓口 |
| 取引時間 | 市場時間中(リアルタイム価格) | 1日1回(基準価額) |
| 最低購入金額 | 1株〜(数千円程度) | 100円〜(積立可能) |
| 信託報酬 | 業界最低水準(0.05%前後) | 0.10%〜0.15%程度 |
| 分配金 | あり(年1〜4回) | 多くは再投資型 |
| NISA適性 | 成長投資枠○・つみたて△ | つみたて◎・成長○ |
| クレカ積立 | 不可 | 可 |
結論として、 毎月の自動積立を重視するなら投資信託、 取引タイミングや低コストを重視するならETF が向いています。
そもそもTOPIXと日経平均は何が違うか:TOPIXと日経平均の違い|どちらを見るべきか解説
主要TOPIX連動ETF徹底比較
2026年5月時点の主要TOPIX連動ETF6本を比較します。
| 銘柄コード | 商品名 | 運用会社 | 信託報酬(税込) | 純資産総額 |
|---|---|---|---|---|
| 1306 | NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 | 野村アセット | 0.0543% | 約24.5兆円(最大) |
| 1475 | iシェアーズ・コア TOPIX ETF | BlackRock | 0.0495%(最安) | 約2.5兆円 |
| 1305 | iFreeETF TOPIX | 大和アセット | 0.066% | 約2兆円 |
| 1308 | 上場インデックスファンドTOPIX | 日興アセット | 0.0858% | 約2兆円 |
| 2557 | SMDAM トピックス上場投信 | 三井住友DSアセット | 0.077% | 数百億円規模 |
| 2625 | iFreeETF TOPIX(年4回決算型) | 大和アセット | 0.066% | 分配重視層向け |
1306は 段階料率 を採用しており、純資産総額の増加に応じて信託報酬率がさらに低下する仕組みです。1475は業界最低水準の信託報酬で長期保有のコストを抑えられます。
信託報酬最安は1475 iシェアーズ・コア TOPIX

純粋にコストだけで比較すれば、 1475 iシェアーズ・コア TOPIX ETF(BlackRock) が信託報酬0.0495%(税込)で業界最低水準です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 信託報酬 | 年0.0495%(税込) |
| 純資産総額 | 約2.5兆円 |
| 分配金 | 年2回(2月・8月) |
| 運用会社 | BlackRock(世界最大の資産運用会社) |
| 適性 | 長期保有・コスト最重視層 |
世界最大の資産運用会社BlackRockが運用する点も信頼性が高く、「とにかくコストを抑えて長期保有したい」 投資家には有力な選択肢の一つです。
流動性最大は1306 NEXT FUNDS
純資産総額・売買代金・出来高で見ると 1306 NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 が圧倒的なシェアを持ちます。
- 純資産総額 約24.5兆円:日本のTOPIX連動ETFで最大
- 売買代金・出来高:他のTOPIX連動ETFを大きく上回る
- スプレッド:ビッド・アスク差が小さく、機関投資家・個人投資家両方の取引に最適
- 段階料率:純資産増加に応じて信託報酬率がさらに低下
- 分配金:年2回(7月・1月)
大量の売買にも対応できるため、 機動的な売買を行う投資家 や 大口の資金を運用する投資家 には1306が向いています。
信託報酬の差は実際のリターンに現れたのか|1年分の実測
ここまでコストと流動性を見てきましたが、実際にどれだけ差がついたのかは別の話です。主要5本について、直近1年(2025年8月20日〜2026年8月21日・244営業日)のトータルリターンと出来高を実測しました。

| コード | 1年リターン | 1306との日次相関 | 1306との乖離(年率) | 平均出来高(口) |
|---|---|---|---|---|
| 1306 NEXT FUNDS | +34.24% | — | — | 20,065,781 |
| 1308 上場インデックス | +34.09% | 0.9771 | 4.45% | 339,319 |
| 1348 MAXIS | +34.32% | 0.9737 | 4.76% | 94,424 |
| 1475 iシェアーズ・コア | +34.51% | 0.9817 | 4.00% | 5,146,963 |
| 2557 SMDAM | +33.91% | 0.9105 | 9.14% | 9,138 |
5本のリターン差は最大でも0.60ポイントでした。最高が1475の+34.51%、最低が2557の+33.91%です。同じ指数に連動する商品なので当然ではありますが、実測で確認しておく価値はあります。
注目すべきは、この0.60ポイントという差が信託報酬の差では説明できないことです。最安の1475(0.0495%)と1308(0.0858%)の年間コスト差は0.036ポイントにすぎません。実際に出た差はその約16倍です。
差を生んでいるのは出来高
出来高を見ると構造が見えます。最大の1306は1日平均2,006万口、最小の2557は9,138口で、その差は2,196倍です。
そして2557は、1306との日次騰落率の相関が0.9105と5本の中で最も低く、日々の値動きの乖離も年率9.14%と突出しています。他の3本が0.97前後・4〜5%台に収まっているのとは明確に異なります。出来高が薄いETFは売買が成立しにくく、終値が実際の指数の動きから取り残されやすいためだと見ています。
これは実務上の意味を持ちます。買うとき・売るときに、板が薄いETFでは想定した価格で約定しない可能性があるということです。信託報酬0.03ポイントの差を追って流動性の低い銘柄を選ぶと、1回の売買で生じるスプレッドのほうが大きくなる場面が起こり得ます。
この5本の中では、1475が「信託報酬が最安(0.0495%)で、かつ出来高514万口と十分」という点で、コストと流動性のバランスが良い位置にあります。1306は信託報酬でわずかに劣るものの出来高が2,006万口と桁違いで、まとまった金額を機動的に売買する場合はこちらが有利です。
なお上記は1年間の実測値であり、期間を変えれば順位は入れ替わります。0.60ポイントという差自体、長期の投資判断を左右するほどの大きさではない点も併せて押さえておきたいところです。
TOPIX連動投資信託の比較
毎月の自動積立を重視するなら、ETFよりも投資信託が便利です。2026年5月時点の主要TOPIX連動投資信託を比較します。
| 商品名 | 運用会社 | 信託報酬(税込) | 備考 |
|---|---|---|---|
| SBI・iシェアーズ・TOPIX | SBIアセット | 0.1133%(最安) | 2024年新設・後発組 |
| eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 三菱UFJアセット | 0.143% | トラッキングエラー最小 |
| ニッセイTOPIXインデックスファンド | ニッセイアセット | 0.143% | 長期実績あり |
| はじめてのNISA・日本株式(TOPIX) | 野村アセット | 0.143% | NISA特化型 |
| iFree TOPIXインデックス | 大和アセット | 0.143% | 選択肢の一つ |
純粋なコストでは SBI・iシェアーズ・TOPIX(0.1133%) が最安ですが、運用実績が浅いため、長期実績を重視するなら eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) または ニッセイTOPIXインデックスファンド が安定した選択肢です。日経新聞によれば、TOPIX型投資信託の指数連動性ではeMAXIS Slimが首位とされています。
新NISAでのETF vs 投信の選び方
つみたて投資枠(年120万円)の場合
つみたて投資枠は積立専用のため、 投資信託が主な選択肢 となります。eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)またはSBI・iシェアーズ・TOPIXがコスト面で有利です。クレジットカード積立による還元を最大化できる点も投信のメリットです。
成長投資枠(年240万円)の場合
成長投資枠では ETFと投資信託の両方が選択可能 です。長期保有でコスト最重視なら1475、流動性重視なら1306、自動積立を続けたいなら投資信託、と用途で使い分けるのがおすすめです。
| NISA枠 | おすすめタイプ | おすすめ商品 |
|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 投資信託 | eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) / SBI・iシェアーズ |
| 成長投資枠(コスト重視) | ETF | 1475 iシェアーズ・コア TOPIX |
| 成長投資枠(流動性重視) | ETF | 1306 NEXT FUNDS TOPIX |
| 成長投資枠(積立) | 投資信託 | eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) |
非課税枠で買う場合の制度面:NISAとは?2026年改正の最新ポイント
運営者YKの選び方|TOPIXは「補完」として活用
TOPIX連動商品を選ぶ際、経費率の差を軽視して後悔した経験があります。その反省を踏まえた、今の商品選びの基準を共有します。
視点①:コアはオルカン・サテライトとしてTOPIX 私自身は新NISAのコア(月30万円)を「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」に集中させており、日本株比率はオルカンに含まれる約5%程度に留まっています。「日本株への直接投資ウェイトを高めたい」と考えた場合に、サテライトとしてTOPIX連動商品の購入を検討する位置づけです。
視点②:ETFを選ぶなら1306または1475 サテライトとしてETFを購入するなら、長期保有重視なら1475(信託報酬0.0495%)、機動的な売買余地を残すなら1306(流動性最大) という判断軸で選びます。両者の信託報酬差は年0.0048%と微小ですが、長期保有では確実なリターンとして積み上がります。
視点③:為替リスクが無い「日本株100%」の安心感 オルカン・S&P500はドル建て資産が中心で為替(ドル円)の影響を受けますが、TOPIXは円建ての日本株100%です。 為替変動の影響を受けたくない局面 では、TOPIX連動商品が安心感のある選択肢になると考えられます。日経平均の株価が値嵩株(ファーストリテイリング・ソフトバンクGなど)の動きに左右される一方、TOPIX連動商品は時価総額加重で日本株市場全体の相場を素直に反映する点も強みです。
日本株だけに絞らない選択肢:オルカンとは?eMAXIS Slim全世界株式の仕組み
TOPIX連動商品の選択でつまずきやすい点
Q. TOPIX連動ETFと日経平均連動ETFはどちらを選ぶべき?
A. 銘柄数2,100社超で時価総額加重のTOPIXは、日本株市場全体の動きを素直に反映しやすく、分散効果が大きいとされます。一方の日経平均は225銘柄の単純平均で値嵩株の影響を受けやすい設計です。長期分散投資ならTOPIX、値動きを楽しむなら日経平均という考え方もあります。
Q. 1306と1475はどちらが良い?
A. 信託報酬は1475が0.0495%でやや低く、純資産総額は1306が圧倒的に大きい構造です。長期保有コスト重視なら1475、売買のしやすさ重視なら1306と使い分けるのが合理的だと判断しました。
Q. eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)とSBI・iシェアーズ・TOPIXはどちらを買うべき?
A. 純粋なコストはSBI・iシェアーズ(0.1133%)の方が低いですが、運用実績はeMAXIS Slim(0.143%)が長く、トラッキングエラーも実証済みです。コスト最重視ならSBI・iシェアーズ、安定実績重視ならeMAXIS Slim、という整理になります。
Q. NISAでTOPIX連動商品を買うメリットは?
A. 売却益・分配金が非課税になるため、長期保有で複利効果が最大化されます。TOPIXは長期上昇基調にあるため、NISA枠との相性は良いと考えられます。
Q. TOPIX ETFは積立できる?
A. 一部の証券会社(SBI証券・楽天証券など)はETFの定期積立に対応しています。ただし投資信託のクレカ積立のようなポイント還元は対象外のケースが多く、コツコツ積立なら投資信託が便利です。
※ 本記事の情報は投資判断の参考情報であり、特定の投資・銘柄を推奨するものではありません。信託報酬・純資産総額などの数値は2026年5月時点の概算であり、最新情報は各運用会社の公式サイトをご確認ください。投資は自己責任でお願いします。詳細は免責事項をご覧ください。
制度の公式解説
コスト比較を、運営者の保有実績で裏づける
低コスト投信の効果は、私自身の口座でも表れています。実際に保有しているSBI・V・S&P500(信託報酬 年0.1%前後)は、取得来の評価損益が約+148.6%。同じ指数に連動する商品でも、この水準の信託報酬なら長期のリターンをほぼ削らないことを、10年規模の保有で確認できました。コスト比較表の「最安クラス」を選ぶ判断は、結果として正解だったと考えています。


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